FIPの積極的な治療〜MUTIAN(ムティアン)からCFN(CHUANFUNING)へ〜

こんにちは。動物病院フロンティアです。
少しずつですが、今後はブログで症例や治療などをアップしていきますので、ご興味のある方はご覧いただけると幸いです。

今回は猫のFIPとその治療についてご紹介します。

FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルス(FCoV)の強毒型である猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)感染に伴う血管炎を主とした全身性疾患で、腹水や胸水が貯留する滲出型(ウェットタイプ)と、肉芽腫性病変を主体とする非滲出型(ドライタイプ)に分けられます。
少し前までは不治の病として、発症するとほぼ100%亡くなってしまうという恐ろしい病気でした。

近年ではこれに有効な治療薬が開発され、一部で治療が行われているようです。
私が過去に経験した症例でも、MUTIANで治療した症例は完治し、現在再発もありません。
(case4 FIP)

MUTIANはアメリカの研究所で開発され、中国で製造されていましたが、諸般の事情により製造中止となってしまいました。
現在、MUTIANに代わる様々な製品があるようですが、反応率や再発率にバラつきがあるようです。

FIPは発症すると、早い子では数日で亡くなってしまうケースもあるため(診断後生存期間中央値9日との報告あり)、当院ではMUTANと同等の、一定の治療成績がある代替薬CFN(CHUANFUNING)を取り扱うこととしました。
成分はMUTIAN同様にGS441524(核酸類似物質、レムデシビルの活性型)で、RNAの合成を阻害することでウイルスの複製を阻害します。

FIP治療でお困りの方はご相談下さい。一助となれば幸いです。