胃拡張・胃捻転症候群

症例の概要

シャーペイ 9歳11ヶ月
夜間救急外来を受診。お腹が張っている。1時間前にご飯をあげて、散歩に行った。その後から吐こうとするが何も出ない。触診(打診)にて鼓腸音を認め、X線検査にて胃の拡張と胃捻転ラインを認めました。

胃拡張・胃捻転症候群について

胃拡張・胃捻転症候群は主に胸郭の深い大型犬に発症しやすいとされています。高齢の小型犬にも発症することがありますが、この場合は胃を支えている靭帯の緩みなどに関連するようです。
急激な胃の拡張に関連して胃が捻れてしまうと発生するガスの逃げ道がなくなり、胃が静脈や神経、各臓器を圧迫し、治療を行わなければ発症から24時間以内に必ず死に至ります。(時間経過とともに救命率も低くなります。)
食後から何度もえづいている、吐きたそうで吐けない、よだれが出続けている、お腹が膨らんでいる、などの症状がある場合は昼夜を問わず速やかに動物病院を受診した方が良いでしょう。

治療内容

そのまま夜間緊急手術を実施。
胃の捻転を整復し、胃を腹壁に固定する手術を行いました。
幸いにもこの子は不整脈などもなく、術後2日ほどで退院できました。